2025年2月18日
ストレス、メンタル不調の簡単対処方法(4)「事実と妄想を区別する」
ストレス、メンタル不調の簡単対処方法「事実と妄想を区別する」

今回のストレス、メンタル不調の簡単対処方法は「事実と妄想を区別する」です。
私たち人間は、実際に起こった事実と、脳で考えた妄想を区別するのが不得意です。脳で考えていると、あたかもそれが実際に起こった事実であるかのような錯覚に陥ります。その錯覚が積み重なると、心に大きくのしかかり、自分で自分を押しつぶして、メンタル不調になってしまうのです。
「それは事実なのか?」「それとも妄想なのか?」をきちんと区別する事がストレス、メンタルケアにはとても重要になります。
意外とよくある「事実と妄想の区別が出来ない」ケース

例えば、あなたが朝、会社で同じ部署の先輩Aさんに挨拶をしたら、無視された。この状況であなたはどのように考えますか?
何かAさんを怒らせるような行動をしただろうか?
仕事で何かミスをして、迷惑をかけたのだろうか?
昨日、昼休みに話した冗談が気に障ったのだろうか?
もしかしたら、前から嫌われていたのだろうか?
あなたは心配事が次から次に頭に浮かんできて、妄想が膨らみ、不安になり、Aさんに話しかけにくくなるかもしれません。
でも実際には、Aさんは朝から次のプレゼンについて考え事をしていて、あなたの挨拶にただ気が付かなかった。これが事実です。
あなたが色々と心配した事は、あなたが頭で考えた妄想で事実ではありません。でも、私たちは事実と自分の頭が考えたことの区別がうまくできなくて「私はAさんに嫌われているのかもしれない」と思ったことが、だんだんと事実のように思えてきて、Aさんと顔をあわせるのも嫌になり、話すことも避けだして、嫌われている自分を考えると気分が落ち込み、どんどんとこの落ち込みが膨らんで、憂うつな気分になり、会社に出てくることも嫌になり、仕事も休みがちになって、自宅でモンモンとしているうちに、メンタル不調に陥ってしまいます。

極端な例を出しましたが、電話をかけても相手が出ない。メールをしても返事が来ない。メッセージアプリでメッセージを送ったら既読なのにレンポンスがない。きっと、頭の中でいろいろといらぬ心配をした経験があるはずです。
私たちは、頭の中でいろいろな妄想を膨らませ、その妄想がどんどんと大きくなり、落ち込み、気分が沈みこみ、メンタル不調になり、体調まで悪くなります。

後から相手に事実を確かめたら、「ごめん。ちょっと考え事をしていて、あなたの挨拶に気がつかなかった」と言われ、ほっとしながらも、さんざん心配したことが笑い事のように思えるものです。でもその時は、頭が考えた妄想がどんどんと膨らんで、事実をちゃんと確かめる余裕がありません。
事実なのか?妄想なのか?を区別する方法

嫌なことに遭遇したときには「それは事実なのか?妄想なのか?」をしっかり確かめることが重要です。先程の例で言えば、「挨拶が返ってこなかった」これが事実です。それ以外は全て頭が勝手に考えた妄想だという事に気がつけば、そんなに落ち込む必要がないことに気が付くはずです。
事実と妄想を区別するために、簡単にできる方法があります。自分の頭が考えた事は、最後に「と思っただけ」をつけると、事実なのか、自分の頭が考えた妄想なのかを区別することができます。
無視された「と思っただけ」、嫌われている「と思っただけ」。この「思っただけ」の言葉が、妄想を見つける簡単で有効な方法なのです。
事実と妄想をきちんと区別することで落ち込み、気分が沈みこむことも少なくなります。メンタル不調にならない為の方法を是非実践してみてください。